1 #LyX 2.2 created this file. For more info see http://www.lyx.org/
5 \save_transient_properties true
6 \origin /systemlyxdir/doc/ja/
8 \use_default_options false
9 \maintain_unincluded_children false
17 Decoration Conglomerate
21 Decoration Conglomerate
31 \IfFileExists{okumacro.sty}
32 {\usepackage{okumacro}}
33 {\newcommand{\ruby}[2]{#2}}
38 \language_package auto
41 \font_roman "default" "default"
42 \font_sans "default" "default"
43 \font_typewriter "default" "default"
44 \font_math "auto" "auto"
45 \font_default_family default
46 \use_non_tex_fonts false
49 \font_sf_scale 100 100
50 \font_tt_scale 100 100
52 \default_output_format pdf3
54 \bibtex_command default
55 \index_command default
56 \paperfontsize default
59 \pdf_title "The LyX Tutorial"
60 \pdf_author "LyX Team, Japanese translation: Koji Yokata"
61 \pdf_subject "LyX-documentation Tutorial"
62 \pdf_keywords "LyX, documentation"
64 \pdf_bookmarksnumbered true
65 \pdf_bookmarksopen true
66 \pdf_bookmarksopenlevel 2
71 \pdf_pdfusetitle false
72 \pdf_quoted_options "linkcolor=black, citecolor=black, urlcolor=blue, filecolor=blue, pdfpagelayout=OneColumn, pdfnewwindow=true, pdfstartview=XYZ, plainpages=false"
75 \use_package amsmath 1
76 \use_package amssymb 1
79 \use_package mathdots 1
80 \use_package mathtools 0
82 \use_package stackrel 0
83 \use_package stmaryrd 0
84 \use_package undertilde 0
86 \cite_engine_type default
90 \paperorientation portrait
100 \paragraph_separation indent
101 \paragraph_indentation default
102 \quotes_language english
105 \paperpagestyle default
106 \tracking_changes false
107 \output_changes false
110 \html_be_strict false
126 \begin_layout Plain Layout
127 なにかコメントや間違いの修正がある場合には,\SpecialChar LyX
129 \begin_inset CommandInset href
131 target "lyx-docs@lists.lyx.org"
136 )までお知らせ下さい.この文書の翻訳は,当初人見光太郎氏が行った貢献に基づいています.
144 \begin_layout Standard
145 \begin_inset CommandInset toc
146 LatexCommand tableofcontents
153 \begin_layout Standard
154 \begin_inset Note Note
157 \begin_layout Plain Layout
158 この文書の最新のPDF版を以下の場所で入手できます.
159 \begin_inset Newline newline
164 http://wiki.lyx.org/\SpecialChar LyX
165 /DocumentationDevelopment#Tutorial
173 \begin_layout Chapter
177 \begin_layout Section
182 \begin_layout Standard
183 このファイルは,\SpecialChar LaTeX
184 のことを聞いたことがないか,詳しく知らない人のためにデザインされています.\SpecialChar LaTeX
185 のことを知らなくても気にしないで下さい.\SpecialChar LyX
186 を使うのに\SpecialChar LaTeX
188 りません.\SpecialChar LyX
190 を使うための,ほとんどWYSIWYGなインターフェイスなのです.しかし\SpecialChar LyX
191 を効率的に使うためには,少しばかり覚えなければならないことがあります.
194 \begin_layout Standard
195 読者の中には,「.」の後ろにスペースを2つ入れようとしたりとか,段落のあいだに3行空白を入れようとして,この文書を読むに至った方も居られるでしょう.その時,そうい
196 った操作ができないことに気づかれたことと思います.実は,他のワードプロセッサで親しんでこられた小手先の技のほとんどが,\SpecialChar LyX
197 では使えないことに気づかれることになるはず
198 です.なぜならば,これまでお使いになられてきたほとんどのワードプロセッサが,手動で全てのスペースを入れたり,フォントを変えたりといったようなことを,許してきたか
199 らです.つまり,あなたは文書を書くだけでなく,組版の作業までやる羽目になっていたのです.\SpecialChar LyX
200 は,その組版が整合的になされるように,あなたの代わりに作業を代行し,あな
201 たが書くことの中身などのもっと重要なことに集中できるようにします.
204 \begin_layout Standard
205 ですから,\SpecialChar LyX
206 をもっと知るために続きを読んでください.この入門篇を読む時間は,まちがいなく無駄にはなりません.
209 \begin_layout Section
210 入門篇に含まれているもの,含まれていないもの
213 \begin_layout Standard
214 この節をはじめる前に少し注意することがあります.
222 にまとめられている表記法を使用します.この説明書を先に手に取ってしまった方は,この
233 \begin_layout Standard
234 さて,どのフォントを使った表記が何を意味するか,すでにご存知のはずですから,この
238 が何を目的としているか,少しお話ししておくことにしましょう.
241 \begin_layout Subsection
245 \begin_layout Standard
250 は,例と練習問題から成っています.この文書を効果的に使うためには,筆者が入力してみるようにお伝えするものすべてを実際に入力し,また,すべての練習問題を試してみて
251 ,うまくこなせるかどうかを確認しながら,この文書を一通り読み通すべきです.この入門篇のPDF版を印刷して置いておくと便利でしょう.
254 \begin_layout Standard
256 をご存知ならば,\SpecialChar LyX
257 の発想のほとんどは\SpecialChar LaTeX
262 は多少なりとも早く読むことができるでしょう.しかしながら,知っておきたい\SpecialChar LyX
267 の他の部分を読む気がないとしても,\SpecialChar LaTeX
269 \begin_inset CommandInset ref
271 reference "sec:latexusers"
278 \begin_layout Subsection
282 \begin_layout Itemize
285 \begin_inset Separator latexpar
292 \begin_layout Standard
301 \begin_layout Itemize
304 \begin_inset Separator latexpar
311 \begin_layout Standard
312 必要ないでしょう.\SpecialChar LyX
313 の中で\SpecialChar LaTeX
314 を使ってできる,素敵なトリックに関心があるなら,埋め込み説明書の
322 \begin_layout Standard
323 そろそろ先に進みましょう.あなたの最初の文書を作ってみる時間です.
326 \begin_layout Chapter
331 \begin_layout Section
336 \begin_layout Standard
337 さて文章を書きはじめる準備はできましたが,その前にちょっとだけ,入門篇をわかりやすく役立つものにするために言っておかなくてはならないことがあります.
340 \begin_layout Standard
341 入門篇ではお伝えしきれない情報がありますので,まず
345 に他のヘルプファイルがどこにあるか確認しておいてください.これは簡単にできます.\SpecialChar LyX
358 も読み込んでおきたいと思われるかもしれません(これをあなたがすでに\SpecialChar LyX
359 の中で読んでいるのでなければ).このようにしておけば,自分でファイルを書いてるときも,これらの
364 \begin_layout Plain Layout
365 これらを見れば,\SpecialChar LyX
366 の多くの機能をどのように使うか,良い例を見つけることもできるでしょう.
371 .いったん2つ以上の文書を開けば,これらの間を切り替えるのに,
378 \begin_layout Standard
379 この入門篇では,あなたが完全に動いている状態の\SpecialChar LyX
381 頒布版,それにPDFビューア及びPDFビューアを持っているものと仮定します.すべての主要なLinux頒布版やBS
382 D頒布版ではそうなっているはずですし,Windowsでも,\SpecialChar LyX
383 インストーラによってちゃんとセットアップされているでしょう.
386 \begin_layout Standard
387 最後ですが,\SpecialChar LyX
392 という名前のファイルを作りました.このファイルは,\SpecialChar LyX
393 のすばらしい機能をまったく知らない人によって書かれたものと想定してください.あなたが新しい機能を学んだら,この
394 ファイルのそれにあたる部分を直してみてください.このファイルには,どのように直したら良いか,「ちっちゃな」ヒントも含まれています
398 \begin_layout Plain Layout
399 ヒントは黄色い「注釈」に入っています.ヒントを見たいときは,それをクリックして下さい.
404 .もしカンニングしたかったり,自分がやったものの答え合わせをしたいならば,
408 というファイルがあります.これは内容は同じですが,師範級の\SpecialChar LyX
409 ユーザーによって書かれ,組版されたものです.
412 \begin_layout Standard
413 用例ファイルは,\SpecialChar LyX
418 ディレクトリに入っています.あなたが作業する文書を作るために,元となる文書を開き,
422 \SpecialChar menuseparator
427 を選択して,自分のディレクトリに複製を作って下さい.そしてこのファイルの一部を直すごとに,これらの変更がPDF出力にどのような影響を与えるか,確認して下さい.
430 \begin_layout Standard
435 ディレクトリには,他の用例ファイルもたくさんあります.それらのファイルは,色々な面白いことを\SpecialChar LyX
436 でどうすればいいのかを見せてくれます.この
440 を終ってからか,何か素敵なことを\SpecialChar LyX
441 でどうすればいいか思いつかないときに見てみて下さい.
444 \begin_layout Subsection
448 \begin_layout Itemize
453 \SpecialChar menuseparator
461 \begin_layout Itemize
464 これが私の最初の\SpecialChar LyX
470 \begin_layout Itemize
475 \SpecialChar menuseparator
483 \begin_layout Itemize
488 \SpecialChar menuseparator
499 を押して,\SpecialChar LaTeX
500 を実行させ,PDFファイルを作ります.\SpecialChar LyX
501 は,PDFビューアを開いて,印刷したときにあなたの文書がどのように見えるかを表示します.
504 \begin_layout Itemize
509 \SpecialChar menuseparator
518 印刷する準備の整った文書を,適当なファイル形式に書き出してください
521 \begin_layout Standard
522 おめでとうございます!最初の\SpecialChar LyX
523 文書を書くことができました.後は,すべて詳細にすぎません.
524 \begin_inset Newline newline
530 \begin_layout Standard
538 PDFビューアをバックグラウンドで起動したままにしておけば,時間を節約することができます.
540 表示\SpecialChar menuseparator
549 を押して,\SpecialChar LaTeX
550 を走らせた後,単にPDFビューアのウインドウをクリックすれば(あるいは最小化を解除すれば)よいのです.
552 Under Windows still use
557 \SpecialChar menuseparator
579 \begin_layout Subsection
583 \begin_layout Standard
585 は,これまでワードプロセッサで慣れ親しんでこられたようなことのほとんどを行うことができます.自動的にワードラップや字下げも行います.ここでは幾つかの単純
589 \begin_layout Description
590 元に戻す \SpecialChar LyX
591 は多段階の復元をすることができます,つまり,現在の編集セッションを開始してから行ったすべてのことを,
595 \SpecialChar menuseparator
606 を繰り返し押す)ことで復元することができるのです.元に戻しすぎてしまったときには,
610 \SpecialChar menuseparator
622 \begin_inset Separator latexpar
629 \begin_layout Standard
630 今は復旧は100ステップに制限されてます.
634 \begin_layout Description
635 切り取り/貼り付け/コピー 切り取り・コピー・貼り付けには,
639 \SpecialChar menuseparator
654 \SpecialChar menuseparator
669 \SpecialChar menuseparator
684 を使うと,選択したテキスト(他のプログラム内での選択でも結構です)が自動的に貼り付けされます.
687 \begin_layout Description
692 \SpecialChar menuseparator
700 arg "dialog-show findreplace"
703 )を選択してください.ダイアログボックスで
715 \begin_layout Plain Layout
716 終わったら,ダイアログボックスを閉じてください.あるいは,ダイアログボックスを開いたままにしておくのが便利であれば,そうしておくこともできます.\SpecialChar LyX
718 どのダイアログボックスは,開いたままにしておくことが可能です.\SpecialChar LyX
719 のメインウインドウやダイアログボックスに入力しようとするときは,それらに正しくフォーカスが当ってい
725 .お望みであれば,大文字小文字を区別して検索することも,単語単位で検索することもできます.また,文書を後ろ向きに検索することもできます.
728 \begin_layout Description
739 :既定では,英文はイタリック体に和文はボールド体にします),,
749 :通常はスモールキャップ体で,人の名前に用いられます),あるいは
751 編集\SpecialChar menuseparator
752 文字様式\SpecialChar menuseparator
758 arg "dialog-show character"
761 )を使って,好きな書体にすることができます.
764 \begin_layout Description
773 などは,メニューの下のツールバーにまとめてあります.
776 \begin_layout Standard
777 もちろんさっきあなたが書いたのはたった一行なので,これらの機能を便利に使うには短すぎます.もっと文章を書くようになるにつれ,復旧や貼り付けを試してみてください.
780 \begin_layout Subsection
781 WYSIWYM: \SpecialChar LyX
785 \begin_layout Standard
786 新しいユーザーが\SpecialChar LyX
787 を使う場合に,もっとも難しく感じるのは,\SpecialChar LyX
788 の空白の扱いでしょう.何回もReturnキーを押したとしても,空白行は一行しか入りません.スペースキーを
789 何度押したとしても,空白は一つしか入りません.空白行では,\SpecialChar LyX
790 はスペース一個さえ入力することを許しません.タブキーを押しても,タブストップ分移動することはありません
791 .実は,タブストップなんてものは,存在しないのです!それに,タブやマージンをセットするためにページの一番上にあるはずのルーラーもないのです.
794 \begin_layout Standard
795 ほとんどの市販のワードプロセッサは,WYSIWYG,すなわち「What You See is What You Get(見ている状態が手に入るのと同じ状態)」の
796 原則に基づいています.それに対して,\SpecialChar LyX
797 の原則は,「What You See Is What You
801 (見ている状態は意図している状態)」です.あなたが 意図することを入力していくと,\SpecialChar LyX
802 はあなたに代わって,出力がすばらしくなるよう,組版を自動調整します.
806 は文法的には段落を分けることを意味しますし,
810 は文法的には単語を分けることを意味しますから,文法的には,それらを続けて複数入れる理由がありません.
814 は文法的な意味をまったく持っていませんので,\SpecialChar LyX
819 はサポートしません.\SpecialChar LyX
828 の心配をする時間を減らすことができます.WYSIWYMの概念に関する情報については,
835 \begin_layout Standard
837 には,文書の体裁を微調整する(多くの)手段があります.最終的には,\SpecialChar LyX
842 には組版することはできないかもしれません.
846 には,微調整のためのすべての情報が書いてあります.そこには例えば,
850 や縦方向の空白—複数の空白や空行を使うよりもずっと強力で多機能です—をはじめ,フォントの大きさや文字様式,段落の配置を手動で変更する方法が説明してあります.しか
851 し重要なことは,文書を書くにあたって,最初から最後まで内容に集中することができ,最後にちょっとだけ微調整の心配をしてやるだけでいいという点です.標準的なワードプ
852 ロセッサでは,文章を書いているあいだを通じて,たえず文書の整形に気を取られてしまいます.
855 \begin_layout Section
859 \begin_layout Standard
860 文書は,それぞれ異なった目的を持つ部分からできています.私たちは,この部分のことを
868 )と呼んでいます.文書の大半は,ふつうの本文から成ります.節見出し(あるいは章見出しや小節見出し)は,これから新しいトピックやサブトピックが始まることを読者に知
869 らせる環境です.また,ある種の文書は,特別な環境を用います.学術論文なら概要環境とタイトル環境が用いられるでしょう.書簡の場合はそのどちらも用いられないでしょう
870 が,送り主の住所を教える環境は用いられるでしょう.
873 \begin_layout Standard
875 の「What You See Is What You Mean」の哲学を支えるための基本的な要素です.ある一つの環境は,そのためのフォント型,フォントの
876 大きさ,字下げ,行間の間隔等を必要とします.問題をより複雑にするのは,ある環境の正確な体裁が,文書によって変わることです.ある学術雑誌は,節見出しに18ポイント
877 のボールド体を使い,中央揃えにするのに対して,他の学術雑誌は15ポイントのイタリック体を使って左寄せにします.言語によって字下げの標準様式は変わるでしょうし,書
878 誌情報の体裁もひじょうに大きく異なります.\SpecialChar LyX
879 を使えば,これらすべての異なる体裁様式を覚える必要はなくなるのです.
882 \begin_layout Standard
888 \begin_inset Graphics
889 filename clipart/ToolbarEnvBox.png
895 のような形をしています.そして,それはいまお書きになっている場所の環境を表示しています.さきほど,あなたが最初の文書をお書きになっていたときには,そこには「標準
896 」と表示してあったでしょう.これはテキストの既定の環境です.あなたの新しい文章にいろいろな環境を入れてみて下さい.そうすればそれがどのように働くかを見ることがで
900 \begin_layout Subsection
904 \begin_layout Standard
922 \begin_layout Plain Layout
923 行を選択しておく必要はありません.もしどこも選択されていなかったら,\SpecialChar LyX
924 はあなたが今いる段落を選んだ環境に変更します.逆に,環境を選ぶ前に複数の段落を選択しておけば
925 ,それらをすべて新しい環境に変えることができます.
938 を選んでいることを確認してください.この2つの違いは後で説明します.\SpecialChar LyX
939 が「1」という節番号を入れ,節見出しとして大きなフォントで画面上に組版します.Returnキ
944 ボックスの表示は「節」から「標準」へ戻ります.節タイトルは,ほとんどの環境がそうですが,Returnキーを押すとその環境が終わったものと仮定します.文章の導入部
948 \begin_layout LyX-Code
949 これは,私の最初の\SpecialChar LyX
953 \begin_layout Standard
962 を選んでください.\SpecialChar LyX
963 はまた「2」という節番号を表示して,あなたがタイトルを入力するのを待ちます.
967 」と入力してください.\SpecialChar LyX
968 が,これを節見出しとして組版するのが分かるでしょう.
971 \begin_layout Standard
972 だいぶん良くなってきました.前と同じように,第1節の最後(「
977 」の後ろ)に戻って,Returnキーを押し,
985 を選んでください.\SpecialChar LyX
986 は「2」を表示して,あなたが節見出しを入力するのを待ちます.
990 」と入力してください.さきほど第2節だった「追加の事項」の節が,自動的に第3節になっています!真にWYSIWYMの流儀では,あなたは節見出しを構成する本文だけわ
991 かっていればよく,連番振りやその組版は\SpecialChar LyX
995 \begin_layout Standard
1000 環境に戻り,次の5行を入力してください.
1003 \begin_layout LyX-Code
1007 \begin_layout LyX-Code
1011 \begin_layout LyX-Code
1015 \begin_layout LyX-Code
1019 \begin_layout LyX-Code
1023 \begin_layout Standard
1032 を選んでください.\SpecialChar LyX
1033 は,この小節に「2.1」という番号を振って,通常の本文よりは大きいものの,節見出しよりは小さいフォントを使って組版します.同じようにして,4行目
1038 に変えましょう.おそらく想像されていたとおり,この節に「2.2」と\SpecialChar LyX
1039 が自動的に番号を振ります.もし第2節の前に新しい節を挿入すると,第2節は第3節に番号が変わり,ま
1040 た小節の番号も「3.1」と「3.2」になります.
1043 \begin_layout Standard
1056 等があります.ご自分でこれらを試してみてください.既定では,段落と小段落の見出しには番号が振られず,小段落は字下げされることに気付かれることでしょう.詳細の説明
1069 より上の,最上位の階層の節割りになっていますが,これはあるタイプ(文書クラス)の\SpecialChar LyX
1071 \begin_inset CommandInset ref
1073 reference "sec:文書クラス"
1080 \begin_layout Standard
1081 最後になりましたが,番号の振られていない節や小節が欲しい場合もあるでしょう.そのための環境もあります.既存の節見出しの一つを
1089 ボックスの下の方までスクロールしないと見つからないかもしれません)に変えると,通常の節見出しで用いられるのと同じフォント寸法を用いるものの,番号が振られなくなり
1098 にも,対応した「星付き」環境があります.既存の節や小節を星付き環境に変更してみて,特に,他の節の番号がどのように更新されるかを確認してください.
1102 \begin_layout Standard
1111 の,節見出しと小節見出しを正しく直してください.
1114 \begin_layout Subsection
1118 \begin_layout Standard
1120 は,箇条書きを組版するための環境をいくつか持っています.この各箇条書き環境を使えば,概要を書くのに100万回も
1124 を打つことから開放され,箇条書きの中に項目を追加しても連番を振り直さずに済むようになります.文書の種類が異なれば,論理的に異なった箇条書き環境が必要とされます.
1127 \begin_layout Itemize
1128 スライドの発表では,各要点を説明するのに
1132 環境のブリット付き一覧が使用されるでしょう.
1135 \begin_layout Itemize
1140 環境の連番(あるいはアルファベット)の振られた一覧が使用されるでしょう.
1143 \begin_layout Itemize
1144 ソフトウエア・パッケージ群の取扱説明書では,各項目がボールド体の単語で始まる
1151 \begin_layout Itemize
1163 \begin_layout Standard
1165 が他のワードプロセッサより優れている理由の一覧を作ってみましょう.使用中の文書のどこかに,次のように入力してください:
1168 \begin_layout Standard
1172 は他のワープロよりも優れています.なぜなら
1175 \begin_layout Standard
1191 arg "layout Itemize"
1194 ).すると\SpecialChar LyX
1195 は,行頭に小さな「印」(ブリット)を描画します.以下のように理由を入力してください.
1198 \begin_layout LyX-Code
1202 \begin_layout LyX-Code
1206 \begin_layout LyX-Code
1210 \begin_layout Standard
1215 を押しても環境が終了しません.その代わり,\SpecialChar LyX
1216 はあなたが引き続き,箇条書きの次項目を入力するものと仮定します.つまり,上のように理由を入力すると,三つの項目の箇条書
1221 が二つ以上の段落を持つようにしたいときには,
1229 を使うのが一つの方法です.箇条書きから抜けたいときには,
1233 環境を再選択することが必要です(あるいはキー割当て
1236 arg "layout Standard"
1242 \begin_layout Standard
1243 これで美しい記号付きの箇条書きができたはずです.お望みならば,印刷時の箇条書きの仕上がりをみるために,\SpecialChar LaTeX
1244 を走らせてみてください.一方,これらの理由に番号を振りたか
1245 った場合はどうすればよいでしょうか.その場合は,単に箇条書き全体を選択して
1249 \begin_layout Plain Layout
1255 段落をともに選択しない限り,最初のブリットを選択することはできませんが,おそらくそうしたいと思われることはないでしょう.同様に,連番の振られた節見出しの番号も選
1256 択することはできません.これは,ブリットや番号はそれぞれ文書設定や本文中の位置に依存するため,意図的にこのようになっているのです.
1272 arg "layout Enumerate"
1275 ).ほら!一瞬です.前述したように,項目を加えたり削除したりすると,\SpecialChar LyX
1279 \begin_layout Standard
1288 の出力がどのようなものになるかを見るために,この箇条書きが選択された状態のまま,これらの環境に変更してみるとよろしいでしょう(
1291 arg "layout Description"
1300 ).これらの2つの環境では,箇条書きの各項目は,最初の単語が用語として表示され,段落の残り(
1304 を入力するまで)がその用語の定義として表示されるような形で構成されます.用語は,ボールド体で組版される(
1312 \begin_layout Plain Layout
1313 ただし,不器用で融通が効かない変更不可能なタイプライター式の
1317 ではなくて,一番長い用語に合わせて変化する組版工式の
1326 によって段落の残りから切り離されて表示(
1330 )されます.用語定義に2つ以上の単語を指定したい場合には,それらの単語を
1337 \begin_layout Standard
1349 \begin_layout Standard
1350 箇条書きは,お互いに自由に入れ子にすることができます.要約を書く場合がわかりやすい用例です.連番箇条書きや記号箇条書きは,入れ子として別の連番箇条書きや記号箇条
1351 書きを含むことになるでしょう.各種箇条書きの詳細や,入れ子の用例については
1358 \begin_layout Subsection
1362 \begin_layout Standard
1363 引用を周囲の本文から切り離して行うための環境が2つあります.一つは,短い引用のための
1380 \begin_layout Plain Layout
1394 体で出力され,\SpecialChar LyX
1395 内で唯一,コードの字下げを可能にするために,複数の空白を使うことが許された環境です.
1399 環境を使えば,詩を書くことさえできます.この環境では
1407 で連の中の行を分けます.利用可能な\SpecialChar LyX
1408 環境すべてについてのより完全な説明については,
1415 \begin_layout Standard
1440 \begin_layout Chapter
1444 \begin_layout Standard
1445 前章で,\SpecialChar LyX
1446 での書きかたに慣れていただけたものと思います.そこでは,\SpecialChar LyX
1447 の基本的な編集操作と,環境を使った強力な執筆法を紹介しました.しかしながら,\SpecialChar LyX
1449 は,論文・論説・書籍・取扱説明書・書簡のような本格的な文書を執筆することを欲しています.本章は,\SpecialChar LyX
1450 を使って単に文章を書くだけのレベルを卒業して,本格的な文書を執筆
1451 する水準までご案内しようとするものです.まず各種の文書を執筆することを可能とする文書クラスというものをご紹介します.それから,タイトル・脚注・相互参照・書誌情報
1452 ・目次といった,単なる文章を文書に仕上げるための多くの追加機能をご説明いたします.
1455 \begin_layout Section
1457 \begin_inset CommandInset label
1466 \begin_layout Standard
1467 文書の種類によって組版のしかたは異ならなくてはなりません.例えば,書籍は一般に両面に印刷されますが,論文は片面です.また,多くの文書は固有の環境を含み,例えば書
1468 簡には,送り主の住所やサインのための環境が含まれますが,書籍や論文では,これらの環境は意味をなしません.\SpecialChar LyX
1475 \begin_layout Plain Layout
1477 ユーザーへ:これは\SpecialChar LaTeX
1478 のdocument classと同じものです.
1485 は,このような文書間の大局的な違いを取り扱うためのものです.例えばこの
1493 文書クラスで書かれています.文書クラスは,WYSIWYM哲学の重要な構成要素となっています.なぜなら,文書クラスが,\SpecialChar LyX
1494 に文書をどのように組版すべきかを指示してくれ
1495 るおかげで,書き手は組版のしかたについて関知する必要がなくなっているからです.
1498 \begin_layout Standard
1507 \begin_layout Plain Layout
1508 通常,これが既定の文書クラスになっています.
1517 \SpecialChar menuseparator
1522 ダイアログを使って)他の文書クラスへ変更してみて,文書の組版がどう変わるかを確認してみましょう.文書クラスを
1530 ボックスを見てみても,利用できる環境がほとんど同じであることがわかるはずです.ただし,新しく
1534 環境が使えるようになっています.このように,ある文書クラスでどの環境が使えるか不確かな場合は,
1541 \begin_layout Standard
1542 学術雑誌によって,フォント寸法や,段組が一段か二段か,ページヘッダなどが異なっています.『コンピュータの時代』がますます成熟するにつれて,各学術雑誌は電子投稿を
1543 受け付けるようになり,執筆者が正しく組版された論文を提出できるように専用の\SpecialChar LaTeX
1544 「スタイルファイル」を用意するようになってきました.\SpecialChar LyX
1549 \begin_inset space ~
1554 文書クラスを使うことによって,アメリカ数学会(American Mathematics Society)発行の学術誌向けの組版(および追加の環境)をサポートして
1558 \begin_layout Standard
1559 以下の表は,いくつかの文書クラスのひじょうに簡単な要約です.さらに多くの詳細については,取扱説明書『
1568 \begin_inset Separator latexpar
1574 \begin_layout Standard
1576 \begin_inset Tabular
1577 <lyxtabular version="3" rows="7" columns="2">
1578 <features tabularvalignment="middle">
1579 <column alignment="center" valignment="top" width="0pt">
1580 <column alignment="center" valignment="top" width="0pt">
1582 <cell alignment="center" valignment="top" topline="true" bottomline="true" leftline="true" usebox="none">
1585 \begin_layout Plain Layout
1591 <cell alignment="center" valignment="top" topline="true" bottomline="true" leftline="true" rightline="true" usebox="none">
1594 \begin_layout Plain Layout
1602 <cell alignment="center" valignment="top" topline="true" leftline="true" usebox="none">
1605 \begin_layout Plain Layout
1611 <cell alignment="center" valignment="top" topline="true" leftline="true" rightline="true" usebox="none">
1614 \begin_layout Plain Layout
1622 <cell alignment="center" valignment="top" topline="true" leftline="true" usebox="none">
1625 \begin_layout Plain Layout
1631 <cell alignment="center" valignment="top" topline="true" leftline="true" rightline="true" usebox="none">
1634 \begin_layout Plain Layout
1642 <cell alignment="center" valignment="top" topline="true" leftline="true" usebox="none">
1645 \begin_layout Plain Layout
1651 <cell alignment="center" valignment="top" topline="true" leftline="true" rightline="true" usebox="none">
1654 \begin_layout Plain Layout
1662 <cell alignment="center" valignment="top" topline="true" leftline="true" usebox="none">
1665 \begin_layout Plain Layout
1671 <cell alignment="center" valignment="top" topline="true" leftline="true" rightline="true" usebox="none">
1674 \begin_layout Plain Layout
1682 <cell alignment="center" valignment="top" topline="true" leftline="true" usebox="none">
1685 \begin_layout Plain Layout
1691 <cell alignment="center" valignment="top" topline="true" leftline="true" rightline="true" usebox="none">
1694 \begin_layout Plain Layout
1702 <cell alignment="center" valignment="top" topline="true" bottomline="true" leftline="true" usebox="none">
1705 \begin_layout Plain Layout
1711 <cell alignment="center" valignment="top" topline="true" bottomline="true" leftline="true" rightline="true" usebox="none">
1714 \begin_layout Plain Layout
1728 \begin_layout Section
1732 \begin_layout Standard
1733 書簡を書くには,新規ファイルを開いたのち,
1737 \SpecialChar menuseparator
1746 クラスを指定するのが一つの方法です.これは,書簡を書くのにもっともわかりやすい方法ではありますが,余分な仕事を増やすように思われます.ビジネス書簡を書くたびに,
1747 自分の住所と相手の住所,本文,サイン等を入れなくてはならなくなることでしょう.このため,\SpecialChar LyX
1752 が備わっています.ひな型を使えば,書簡を書くたびに書簡の対応部分を自分向けに変更するだけでいいのです.
1755 \begin_layout Standard
1758 ファイル\SpecialChar menuseparator
1761 を選択して,新規ファイルを開いてください.ひな型として
1765 を選択します.保存後印刷して,各環境がどのように組版されるかを確認してください.
1768 \begin_layout Standard
1777 のような,他のほとんどの文書クラスにはない環境があるのが分かります.一方,
1785 などの環境は,よく見かけるものです.各環境がどのような機能を果たすかを理解するために,しばらくのあいだ,いろいろといじってみてください.例えば,
1789 環境では,実際の署名の前に「署名:」という単語が赤字で表示されることに気が付かれることでしょう.この単語は,ファイルを表示または書き出してみるとわかるように,実
1790 際の書簡には現れません.これは,署名行がどこにあるかをお知らせするだけのものです.さらに,
1794 行は,ファイル内のどこにあってもかまわないことに注意してください.\SpecialChar LyX
1799 環境はどこでも好きなところに置くことができても,\SpecialChar LyX
1800 は,印刷時には署名は書簡の最後に置かれるべきだということを知っているのです.
1803 \begin_layout Standard
1804 ひな型は通常の\SpecialChar LyX
1805 ファイルです.ということは,自分の住所と署名が入力済みのファイルを,新しいひな型として保存できるということです.以後,書簡を書くときは,いつもこの
1806 新しいひな型を使うようにすれば,時間が節約できます.ここでは実際に「練習問題」をお出しする必要はないでしょう.とにかく誰かに手紙を書いてみてください!
1810 \begin_layout Plain Layout
1811 ひな型を使ってものを書くときに注意すべきことがあります.ある環境の中の本文をすべて消した後に — 例えば,自分の本当の住所で置き換えるために
1815 フィールドを全部消した後に —,何も書かないで他の場所にカーソルを移動すると,環境自体が消えてしまうことがあります.これは,ほとんどの環境は中に本文がない状態で
1816 は存在できないためです.消えてしまった環境を戻すには,
1820 ボックスからもう一度その環境を選択し直してください.
1828 \begin_layout Standard
1829 ひな型を使うと大幅な時間の節約が期待できますので,可能なときはできるかぎり使うようにした方がいいでしょう.また,ひな型を使えば,より洗練された文書クラスの使い方
1830 を学ぶ一助となります.さらに,あまりスキルのないおおぜいのユーザーたちのために\SpecialChar LyX
1831 を設定してやらなくてはならない立場にいる人にも役立つものと思われます.例えば,彼ら
1832 が初めて\SpecialChar LyX
1833 を習うにしても,自社用にカスタマイズされた書簡のひな型があれば,かなりとっつきやすくなることでしょう.
1836 \begin_layout Section
1840 \begin_layout Standard
1842 と同様)\SpecialChar LyX
1843 は,文章のタイトル — これには狭義のタイトル・著者名・日付,場合によっては論文の概要を含みます — を文書の他の部分とは独立の存在として扱います.
1846 \begin_layout Standard
1847 これまでに作成してきた\SpecialChar LyX
1856 \begin_layout Plain Layout
1857 Letter文書クラスではタイトルは使えないので,ここではもうLetter文書クラスは使えません.
1866 環境に変更してください.次の行には,ご自分の名前を入れ,その行を
1878 環境で,文書の要約を一二段落入力します.その後,印刷時にタイトルがどのように表現されるか,確認してください.このとき,文書形式を
1882 に変更してみると,この入門篇の第1頁のように,別頁立てのタイトルが得られることがわかります.
1885 \begin_layout Standard
1894 lyxのタイトル・日付・著者名を正しくしてください.
1897 \begin_layout Section
1901 \begin_layout Standard
1902 使用中の文書の節見出し・箇条書き項目・公式・脚注・フロート
1906 \begin_layout Plain Layout
1920 には,ラベル付けをすることができます.ラベルを付けると,相互参照を使用することで文書の他の場所からこの節を参照することができます.節番号を参照することもできます
1921 し,あるいはその節が登場するページ番号を参照することもできます.節番号と同様に,\SpecialChar LyX
1922 は相互参照の連番の面倒も見てくれます.ラベルと相互参照による自動参照機能は,\SpecialChar LyX
1924 よび\SpecialChar LaTeX
1925 )が他のワードプロセッサをしのぐ最大の利点の一つです.
1928 \begin_layout Subsection
1932 \begin_layout Standard
1933 前に書いた文書で,「この文書について」という見出しの第2節にラベルを付けてみましょう.この節見出しの行末をクリックし
1937 \SpecialChar menuseparator
1948 を押してください.ダイアログボックスが,入力候補を表示してラベル名の入力を求めます.OKボタンを押すと,そのラベル名が節見出しの横にボックス表示されます.
1951 \begin_layout Standard
1952 ここまででは,まだ何も成し遂げていません — ラベルは印刷文書には表れないので,PDF出力は以前とまったく変わりません.しかしながら,いまやラベルをつけたので,
1953 相互参照でラベルを参照することができます.次はそれをやってみましょう.
1956 \begin_layout Subsection
1960 \begin_layout Standard
1961 カーソルをこの文書の第2節のどこかに合わせて,次のように入力してください.
1964 \begin_layout LyX-Code
1965 この文書についてより詳細をお知りになりたい場合は,
1966 \begin_inset Newline newline
1972 \begin_layout Standard
1973 ここで — カーソルを「第」という漢字の後ろに置いて
1975 — 挿入\SpecialChar menuseparator
1981 arg "dialog-show-new-inset ref"
1988 ダイアログボックスが現れて,参照することができるラベルの一覧が表示されます.いまのところ,ただ一つ「sec:この文書について」だけが表示されているはずです.まず
1989 書式と書かれているドロップダウンメニューを選び,「<参照>」を選択します.それから「sec:この文書について」を選択すると(既定として選択されているかもしれませ
1990 ん),「参照:sec:この文書について」と書かれた参照マーカーが現れます.次に,カーソルを「ページ」という単語の前に合わせて,書式を「<参照ページ>」にして「s
1991 ec:この文書について」を選択します(欧文の場合に,「Section
1992 \begin_inset space ~
1995 2」のような表示をさせたい場合には,「Section」という単語と参照のあいだには,空白ではなく
1999 を入れなければなりません).この方法の代わりに,ラベルを右クリックして,現れるコンテクスト・メニューにある
2003 を使う方法もあります.こうすることによって,このラベルへの相互参照はクリップボードに移されるので,
2005 編集\SpecialChar menuseparator
2009 \begin_inset Flex Ruby
2012 \begin_layout Plain Layout
2014 \begin_inset Argument post:1
2017 \begin_layout Plain Layout
2034 )を使って,現在のカーソル位置にコピーすることができます.印刷した文書では,この参照マーカーはページ番号や節番号に置き換えられます.文書をPDFとして表示してみ
2035 ると,最後の頁で「第2節」と「1ページ」(あるいは第2節の見出しがある頁)を参照していることが分かるでしょう.
2038 \begin_layout Standard
2039 便利なことに,相互参照は,\SpecialChar LyX
2040 で文書を編集する際,ハイパーリンクとして機能します.参照をクリックすると,
2048 をクリックすれば,参照しているラベルにカーソルを移動することができるのです.
2051 \begin_layout Subsection
2055 \begin_layout Standard
2056 以前,相互参照の番号付けは\SpecialChar LyX
2057 が管理すると書きましたが,それをこれから確認してみましょう.第2節の前に新しい節を加えてください.PDF表示を更新すると
2058 — ほら! — 節への相互参照が「3」に変わっています!次に「この文書について」の節を小節に変更してみると,相互参照は第3節の代わりに第2.1小節を参照するよう
2059 になります.もちろんページ参照は,ラベルの前にまるまる1ページ分の文章を追加しない限り変化しません.
2062 \begin_layout Standard
2063 もう少しラベルの練習をしたければ,最初に相互参照があった場所にまた新しくラベルを挿入し直して,文書のどこか他の場所から参照してみてください.相互参照を繰り返し入
2068 ダイアログを開いたままにしておくと便利でしょう.
2071 \begin_layout Standard
2072 もっと大きな文書でも相互参照がちゃんとページを取得するかどうかを確認したいならば
2088 \begin_layout Plain Layout
2089 このとき,章見出しをコピーすると,章がarticleクラスでは使えないために,\SpecialChar LyX
2091 \begin_inset CommandInset ref
2093 reference "sec:文書クラス"
2097 節を参照).そうなったときは,章見出しを削除すれば大丈夫です.
2105 \begin_layout Standard
2117 \begin_layout Section
2121 \begin_layout Standard
2125 arg "footnote-insert"
2132 \SpecialChar menuseparator
2137 メニューを使えば,加えることができます.現在の文中にある\SpecialChar LyX
2138 という単語のどれでもいいですから,その単語の後ろにカーソルを持っていって,ツールバーの
2141 arg "footnote-insert"
2144 ボタンを押して下さい.すると脚注ボックスが現れて,脚注の文章が入力できるようになります.カーソルが脚注ボックスの先頭に現れますから,次のように入力してください.
2147 \begin_layout LyX-Code
2152 \begin_layout Standard
2153 「脚注」と書いてあるボタンをクリックしてみてください.脚注ボックスが閉じて,印刷したときに脚注のマークが入るところにfootというボタンだけが画面に残ります.こ
2154 れを脚注を折り畳むといっています.この「脚注」ボタンをクリックすればまた脚注ボックスが現れ,脚注を見たり,編集したりできます.
2157 \begin_layout Standard
2158 脚注は通常の本文と同様に,切り貼りができます.やってみてください.脚注ボタンを選んで
2162 \begin_layout Plain Layout
2163 キーボードを使って選択をする方が簡単かもしれません.マウスを使うと間違ってクリックして脚注行を開いてしまうことがあります.
2176 をしてみてください.また通常の本文を脚注へ変えることもできます.脚注にしたい場所を選択して
2179 arg "footnote-insert"
2182 ボタンを押してください.脚注を通常の本文に戻すには,カーソルが脚注の先頭にある時にバックスペースキーを押すか,カーソルが脚注の最後にある時に削除キーを押してくだ
2186 \begin_layout Standard
2191 \SpecialChar menuseparator
2199 arg "marginalnote-insert"
2202 ボタンを押せば追加することができます.傍注は脚注とほとんど同じですが,以下の点が違います.
2205 \begin_layout Itemize
2206 画面上の箱に書かれるのは footでなくてmarginです.
2209 \begin_layout Itemize
2210 ページの下部にではなく,左右のマージンに印刷されます.
2213 \begin_layout Itemize
2217 \begin_layout Standard
2218 さっき作った脚注を普通のテキストに変換し,傍注にしてみましょう.\SpecialChar LaTeX
2219 を走らせて,どのように印刷されるかを見てください.
2222 \begin_layout Standard
2234 \begin_layout Section
2236 \begin_inset CommandInset label
2245 \begin_layout Standard
2246 (少なくとも厳密な科学の分野では)書誌情報cの参照は,相互参照と似ています.書誌情報cは文章の最後につく文献のリストで,文章の中から参照できます.節見出しと同じ
2249 が文献リストに番号をつけ,文献を追加して番号が変わった場合は,その文献を参照している先の文献番号も変えてくれます.
2252 \begin_layout Standard
2257 環境に変えてください.すると入力する段落のそれぞれが,書誌情報の項目になります.一つめの文献として「
2260 文書化チーム著『\SpecialChar LyX
2268 は各文献の前に四角に囲まれた番号を自動的につけます.四角に囲まれた文献番号をクリックすると,
2272 ダイアログボックスが現れます.「キー」とは,\SpecialChar LyX
2273 文書中でのこの文献への参照に使われるキーであり,「ラベル」は出力に現れる文字です.ラベルが入力されていない(既定)と
2274 きには,文献番号が出力されます.キーフィールドを,覚えやすいように「lyxtutorial」に変えましょう.
2277 \begin_layout Standard
2278 文章中のどこかを選んで,文献を参照してみましょう.
2282 \SpecialChar menuseparator
2290 arg "dialog-show-new-inset citation"
2297 ダイアログボックスが現れます.ダイアログの右パネルには,すべての文献項目が表示され,参照したい文献を選ぶことができるようになっているはずです.「lyxtutor
2298 ial」を選択して(今のところ,文献で選べるのはこれだけです),中央の「追加」ボタンを押して挿入します(このやり方で複数のキーを移動すれば,複数の文献を一箇所に
2303 \begin_layout Plain Layout
2304 書誌情報のラベル名に覚えやすいものをつければ,書誌一覧で項目を見つけやすくなります.
2313 ボタンを押してください.このファイルをPDFで表示してください.文献の引用が,角括弧で本文に挿入され,文末の書誌情報を参照していることが確認できるでしょう.
2316 \begin_layout Standard
2325 フィールドは,参照番号のあとに入れる(例えば,参考文献の何ページか,何章かというような)コメントを書くのに使います.これは参照番号の後に括弧にくくられて印刷され
2326 ます.もし参考文献を番号ではなくラベルで参照したい場合(学術誌の中には,Smithが95年に書いた論文を参照するのに[Smith95]と表記するものもあります)
2335 フィールドを使ってください.詳しい説明は
2346 \begin_layout Standard
2355 の書誌情報とそれの参照を直してください.
2358 \begin_layout Section
2362 \begin_layout Standard
2363 文書のはじめに目次を入れたいときもあるでしょう.\SpecialChar LyX
2364 では,簡単に目次を入れることができます.文書のタイトルの後ろ,最初の節見出しの前でReturnキーを押して
2368 \SpecialChar menuseparator
2373 \SpecialChar menuseparator
2378 を選んでください.「目次」と書いたボタンが文書のはじめに現れるでしょう.
2381 \begin_layout Standard
2382 これだけだとそれほど役に立つようには見えないのですが,PDFファイルを見てみると,目次が生成されているのが確認できるでしょう.ここでも,節の順番を変えたり追加し
2383 たりすると,PDFファイルを更新したときに,それらの変更がPDFファイルに自動的に反映されるのです.
2386 \begin_layout Standard
2387 目次は画面上の文書には表示されないようになっていますが,目次ボタンをクリックするか,
2389 表示\SpecialChar menuseparator
2395 arg "dialog-toggle toc"
2398 を使えば,別ウインドウに目次を表示することができます.このメニューは,文書に目次挿入枠が入っていなくても有効です.これは,文書の各部を行ったり来たりするのにたい
2403 ウインドウの(小)節見出しをクリックすると,その行が選択されて,(\SpecialChar LyX
2404 編集ウインドウの)表示が文書の対応する場所に移動します.目次内を上下するには矢印キーも使えます
2405 .したがって,文章を編集している最中は,常にこのウィンドウを開いておく方が便利だと思うようになるかもしれません.一方,
2409 メニューにも目次が自動的に表示されるので,こちらからも同様の機能を使うことができます.
2412 \begin_layout Standard
2413 目次ボタンは,他のふつうの文字とまったく同じように削除することができます.
2416 \begin_layout Standard
2428 \begin_layout Chapter
2432 \begin_layout Standard
2434 は美しい数式を出力できるので,多くの科学者に使われています.他のワードプロセッサーと違い,コントロール文字や数式エディターを使う必要もありません.けれども\SpecialChar LaTeX
2436 を書くのは,文章を書くというよりもむしろプログラムを書くのに近いものです.幸運なことに,\SpecialChar LyX
2437 は数式にもWYSIWYMを使っています.今まで\SpecialChar LaTeX
2438 を使っていた人なら良く使う\SpecialChar LaTeX
2440 の数式コマンドが,今まで通り入力できそれが画面にWYSIWYMのやり方で表示されるのに気付くでしょう.今までLaTeXを使ったことのない人でも
2444 を使えば,本格的な数式を簡単に素早く書くことができます.
2447 \begin_layout Section
2451 \begin_layout Standard
2452 お使いの文書のどこかに次のように入力してください.
2455 \begin_layout LyX-Code
2456 私はアインシュタインがとなえたE=mc^2が好きだ.たいへんシンプルだからである.
2459 \begin_layout Standard
2460 この文中にある数式は,\SpecialChar LyX
2461 中でも出力で見ても,あまりきれいではありません.等号の両側には空白がありませんし,「2」は上付き文字で書きたいところです.この悪い組版は,\SpecialChar LyX
2463 に数式を書いているのだと教えてやらなかったために起こったもので,\SpecialChar LyX
2464 は,数式を通常のテキストとして組版してしまったのです.
2467 \begin_layout Standard
2468 しかし,正しく組版される数式を作ることは可能です.数式を選択して,ツールバーボタンの
2476 挿入\SpecialChar menuseparator
2477 数式\SpecialChar menuseparator
2480 メニューを選んでください.何も選択しなかった場合には,\SpecialChar LyX
2481 は空の数式を表す小さな青い箱を挿入します.そこにもう一度E=mc^2と入力してください.数式は青色で表示さ
2482 れ,数式が書かれると青い四角は消えます.
2486 を押して数式モードから出ましょう.紫のマーカーが消えて,カーソルは数式の右に移動します.ここで何か入力すると,それは普通の本文として扱われます.
2489 \begin_layout Standard
2490 出力を見てみると,今度は数式がきれいに組版されて,等号の両側には空白が入り,「2」は上付き文字になっているはずです.数式の中の文字は変数だと仮定され,イタリック
2494 \begin_layout Standard
2495 この数式エディタも,WYSIWYM哲学の一例です.\SpecialChar LaTeX
2498 sqrt等のコマンドを使って書きます.この方法はファイルを\SpecialChar LaTeX
2499 にかけないと数式がどのように見えるかわからない上に,入れ忘れの括弧を探したりするのに時間をとられるので
2500 ,苛つきかねません.\SpecialChar LyX
2501 は,数式を完璧に(WYSIWYG)表示するわけではありませんが,数式がどのような感じに見えるかはきわめて良好に再現します.その後の本格的な組
2502 版は,\SpecialChar LaTeX
2506 \begin_layout Section
2510 \begin_layout Standard
2511 \begin_inset Formula $E=mc^{2}$
2515 \begin_inset Formula $E=1+mc^{2}$
2518 に変えてみましょう.矢印キーを使ってカーソルを方程式の中に移動させてください.方程式の中に入ると紫のマーカーがあらわれて,数式を編集していることを教えてくれます
2519 .矢印キーを使って「=」の右にカーソルを移動し,「1+」とするだけです.
2526 \begin_layout Standard
2527 後ほど説明する特殊キーを除けば,数式モードの編集は,通常の本文を編集するのと同じです.何かを削除するには,
2535 )を使い,文字を選択するには,矢印キーやマウスを使ってください.数式モードでも
2539 \SpecialChar menuseparator
2544 は機能しますし,切り取りや貼り付けもできます.一つだけ気をつけなければならないのは,カーソルが,数式の外のすぐ左か右にあるときに,
2552 キーを押すと,数式全体を削除してしまうことです.幸い,
2559 \begin_layout Standard
2560 \begin_inset Formula $E=mc^{2}$
2564 \begin_inset Formula $E=mc^{2.5}+1$
2567 に変えたくなったらどうでしょう.今度も,編集したい場所でマウスをクリックするか,矢印キーを使います.カーソルが「c」と「2」の間にあるときに,↑キーを押して,カ
2568 ーソルを「2」の前の,上付き文字の高さへ移動してください.「.5」を書き加えましょう.それから↓キーを押せば,カーソルは標準の高さへ戻ります.↓キーの代わりにスペ
2569 ースキーを押しても,カーソルは上付き文字の直後に戻ります(ここで「+1」を入力できるでしょう).
2572 \begin_layout Section
2576 \begin_layout Standard
2581 (以下で説明します)から挿入することもできますが,実は単にキャレットキー「^」を押した方が簡単です.すると\SpecialChar LyX
2582 が,青い四角を新しく上付き文字の位置に表示して,そこへ
2583 の入力がすべて小フォントの上付き文字になります.上付き文字から脱するには,スペースキー(あるいは数式から完全に出たいならば
2590 \begin_layout Standard
2591 下付き文字(添字)も同じように簡単です.アンダースコアキー(_)を押せば下付き文字を入力し始めることができます.さらに,上付き文字の上に上付きさせたり添字に上付
2592 きさせたりと言うようなことも可能です.こんな具合です:
2593 \begin_inset Formula $A_{a_{0}+b^{2}}+C^{a_{0}+b^{2}}$
2599 \begin_layout Standard
2604 のequation 1を数式モードにして下さい.
2607 \begin_layout Section
2611 \begin_layout Standard
2616 は,数学記号を入れたり複雑な数式操作をするのに便利です.これらの操作のほとんどは,キーボードや,
2618 編集\SpecialChar menuseparator
2623 挿入\SpecialChar menuseparator
2626 メニューからも実行することができます.しかしながら,ここでは
2634 の使い方の説明にとどめることにしましょう.
2635 \begin_inset Flex Ruby
2638 \begin_layout Plain Layout
2640 \begin_inset Argument post:1
2643 \begin_layout Plain Layout
2661 \begin_layout Standard
2666 は,カーソルが数式内にある時に表示されますが,
2668 表示\SpecialChar menuseparator
2671 メニューで手動で有効にすることもできます(
2674 arg "toolbar-toggle math"
2677 ).上記メニューで「数式」 をクリックすると,ツールバーは底面にずっとされるようになります.この状態にあることは,
2681 メニューにチェックマークが表示されるのでわかります.この状態にある
2685 メニューの「数式」をもう一度クリックすると,数式ツールバーは,カーソルが数式モード中にあるときだけ表示されるようになります.この状態にあることは,メニューの表示
2686 が,「数式」の代わりに「数式(自動)」と表示されることでわかります.
2689 \begin_layout Subsection
2693 \begin_layout Standard
2698 を使うと,様々な記号を数式内で使うことができます.たとえば,演算子や矢印,関係子,区切り記号,特殊文字,和や積分の記号などです.和記号や積分記号の上限と下限は上
2699 付き文字と下付き文字で入れることができます.
2702 \begin_layout Subsection
2706 \begin_layout Standard
2710 arg "math-insert \\sqrt"
2713 ボタンを押して下さい.平方根があらわれ,カーソルが平方根の中の新しい挿入ポイントへ移動します.そこへ変数でも数字でも,他の平方根でも,分数でも好きなものを入力で
2714 きます.\SpecialChar LyX
2715 は平方根の中に書かれたものに応じて自動的に平方根の大きさを変えてくれます.
2718 \begin_layout Standard
2720 \begin_inset Formula $\overrightarrow{v}$
2724 \begin_inset Formula $\overrightarrow{a+b}$
2727 のようなアクセントを付けることも同様にすることができます.装飾は,ツールバーの
2730 arg "math-insert \\hat"
2733 ボタンから選択できます.装飾を選ぶと,その装飾の上か下に挿入ポイントが出てくるので,その中に装飾を付けたい文字を入力して下さい.装飾には,入力した文字に応じて長
2734 さの変わる可変長のものと,一文字のみを装飾するのに適した固定長のものの二つの種類があります.
2737 \begin_layout Standard
2738 括弧,角括弧,縦棒等の区切り記号も同様に動作しますが,やや複雑です.
2745 arg "dialog-show mathdelimiter"
2752 ダイアログが開きます.現在選択している区切り記号はボックスの中に表示されます.既定では括弧の対になってますが,中括弧の対や,中括弧と括弧,
2753 \begin_inset Formula $a=\left\langle 7\right.$
2756 のように空の括弧(空の区切り記号は,\SpecialChar LyX
2757 中では破線で表示されますが,出力はされません)を選ぶこともできます.
2760 \begin_layout Standard
2765 ダイアログを使わずに数式モードで直接括弧を入力することもできます.しかしながら,このようにして入力した括弧は,普通の文字と同じ大きさなので,括弧の中に大きな分数
2766 や行列が入っていると醜悪な出力になります.そういう場合は,()の対などを直接挿入する三つの区切り記号ボタンのうちのいずれを使った方がいいでしょう
2769 arg "math-delim ( )"
2775 \begin_layout Standard
2776 区切り記号や平方根やアクセントは,既存の数式の一部に後から付けることもできます.変更したい数式部分を選択して,
2780 の中から使いたいボタンを押します.この方法を,ニュートンの第2法則を,スカラー形からベクトル形へ書き換える(
2781 \begin_inset Formula $f=ma$
2785 \begin_inset Formula $\overrightarrow{f}=m\overrightarrow{a}$
2788 に)のに使ってみましょう.後で行列の使い方を習ったならば,これを使って行列のまわりに括弧,もしくは角括弧をつけることができます.
2791 \begin_layout Subsection
2795 \begin_layout Standard
2803 arg "math-insert \\frac-square"
2806 をクリックしてください.\SpecialChar LyX
2807 は,二つの挿入ポイントをもつ分数を表示します.多分わかるとは思いますが,矢印キーとマウスで分子と分母の間を移動できます.上の四角をクリッ
2808 クして「1」を入力して下さい.下向きの矢印キーで分母に移り,「2」を入れて下さい.分数のできあがりです!もちろん二つの四角のそれぞれには,数字以外のもの,すなわ
2809 ち上付き文字のついた変数や平方根,別の分数,その他諸々を入力することができます.
2812 \begin_layout Standard
2821 のequation 2を数式モードに変更してください.
2824 \begin_layout Subsection
2828 \begin_layout Standard
2829 数式モードの中では文字は変数だと考えられているので,もし数式モードでsinと入力すると,\SpecialChar LyX
2831 \begin_inset Formula $s$
2835 \begin_inset Formula $i$
2839 \begin_inset Formula $n$
2842 の3つの変数を入力したと考えます.本当は「sin」という単語をローマン体で組版したかったのに,3つの文字がイタリック体で組版されてしまいます.その上,\SpecialChar LyX
2844 in」と「x」の間に空白を入れることもしません(スペースキーを押すと数式モードから出て行くだけです).それでは,どうすれば
2845 \begin_inset Formula $sin(x)$
2849 \begin_inset Formula $\sin(x)$
2855 \begin_layout Standard
2863 arg "math-insert \\functions"
2866 をクリックし,現れる関数一覧でsinをクリックして下さい.\SpecialChar LyX
2867 中に,斜字でないローマン体の「sin」という単語が黒で表示されるでしょう.この単語全体が一つの記号とし
2872 を押すと単語全体が削除されます.その後に「(x)」と入力して下さい.すると,数式モードの習いとして,青のイタリック体で表示されるます.出力では,数式が正しく組版
2876 \begin_layout Standard
2877 関数一覧には,他に三角関数・逆三角関数・双曲関数・対数・極限などいろいろあります.これらの関数には,上付き文字や下付き文字を付けることができます.これは,
2878 \begin_inset Formula $\cos^{2}\theta$
2882 \begin_inset Formula $\lim_{n\rightarrow\infty}$
2888 \begin_layout Standard
2897 のequation 3を数式モードにして下さい.
2900 \begin_layout Subsection
2904 \begin_layout Standard
2912 arg "dialog-show mathmatrix"
2915 を押して下さい.現れるダイアログで,行列の行数と列数を選択することができます.行数を2行,列数を3列にして
2919 を押して下さい.\SpecialChar LyX
2921 \begin_inset Formula $2\times3$
2924 行列の中に六つの挿入ポイントを表示します.これまでと同様,各挿入ポイントには,どのような種類の数式(平方根,別の行列等)を入れることができます.必要ならば,挿入
2925 ポイントのいくつかを空のままにしておくこともできます.
2928 \begin_layout Standard
2929 タブキーで水平方向に別の列に移動できます.また矢印キーを使っても移動できます.一つの挿入ポイントの終りで右方向の矢印キーを打つと隣の箱へ移り,下方向の矢印キーを
2930 打つと次の行へ移動するというぐあいです.
2933 \begin_layout Standard
2934 行数や列数を変更する必要が生じた場合は,
2936 編集\SpecialChar menuseparator
2942 arg "tabular-feature append-row"
2948 arg "tabular-feature delete-row"
2954 arg "tabular-feature append-column"
2960 arg "tabular-feature delete-column"
2966 \begin_layout Standard
2967 列の間のスペースや行列全体の垂直方向の位置の調整については
2971 を見て下さい.行列は数式用のものです.もし普通のテキストが入った表を作りたい場合は,行列に普通のテキストを書くよりも\SpecialChar LyX
2975 \begin_layout Subsection
2979 \begin_layout Standard
2980 ここまではテキストと同じ行に数式を入れる方法について説明して来ました.行内表示と呼ばれるものです.これは短い,簡単な数式の場合はいいのですが,長い数式を書く場合
2981 やテキストから独立させたい場合には別行立てモードで書く必要があります.また数式にラベルや式番号(
2985 を見て下さい)をつけたい場合や複数行にまたがる数式を書きたい場合も,別行立てモードにする必要があります.
2988 \begin_layout Standard
3003 を押して下さい.こうすると,数式が中央揃えになり,上下に空白行が加えられます.何か数式を入力してファイルをコンパイルし,どのように表示されるかご覧になって下さい
3008 ボタンは実は切替スイッチになっています.入力した数式のいくつかを,別行立てモードにしたり,戻したりしてみてください.
3011 \begin_layout Standard
3012 別行立てモードはいくつかの点で行内数式モードと異なっています:
3015 \begin_layout Itemize
3016 \begin_inset Formula $\sum$
3020 \begin_inset Formula $\int$
3023 のようないくつかの記号の既定のフォントが大きい
3026 \begin_layout Itemize
3027 別行立てモードではlimitや和記号(積分記号は違います)につく上付き文字や下付き文字が記号の隣ではなく上下に付く
3030 \begin_layout Itemize
3034 \begin_layout Standard
3035 このようにいくつかの違いはありますが,別行立て表示と行内表示は非常に似たものです.
3038 \begin_layout Standard
3039 最後に一つ,別行立て数式の組版に関して注意があります.数式を新段落にしたいのか否かに気をつけてください.数式を文や段落の途中に入れたいのならば,Returnキー
3040 を押さないで下さい.Returnキーを押すと,数式に続く本文が新段落のはじまりであると解釈されてしまいます.すると使用中の文書の段落設定によって,字下げされたり
3041 空白があいたりすることになるので,望ましいものとはならないでしょう.
3044 \begin_layout Standard
3053 の数式を別行立てモードにしてどのように組版されるか見て下さい.
3056 \begin_layout Standard
3061 :本節で習った色々なツールを使って次のような数式を書いて下さい
3065 \begin_layout Plain Layout
3068 挿入\SpecialChar menuseparator
3069 数式\SpecialChar menuseparator
3078 \begin_inset Formula
3080 f(x)=\left\{ \begin{array}{cc}
3083 \sum_{i=1}^{5}\alpha_{i}+\sqrt{-\frac{1}{x}} & x<0
3092 \begin_layout Section
3096 \begin_layout Standard
3098 の数式エディタは,もっとたくさんのことができます.すでに基本は習得しましたから
3102 以下のようなことを実現するコツを知るには,
3109 \begin_layout Itemize
3113 \begin_layout Itemize
3117 \begin_layout Itemize
3118 たとえば数式中でボールド体テキストを使用するなどの書体の変更
3121 \begin_layout Itemize
3122 字体を変える,例えば数式中でボールド体の文字をつかう.
3125 \begin_layout Itemize
3126 フォントの大きさと数式中の間隔の調整(最終原稿を書き上げるまでは気にしないで下さい !)
3129 \begin_layout Itemize
3130 マクロを書く.これはとても強力です.文章のはじめで定義するとそれを文章を通して使うことができます.
3133 \begin_layout Itemize
3138 で触れることのできなかったその他多くのこと.
3141 \begin_layout Chapter
3145 \begin_layout Section
3150 \begin_layout Standard
3151 ここまでで,\SpecialChar LyX
3152 で使えるすべてのコマンドを見たわけではありません.またすべてを見ることを意図したわけでもありません.いつもどおり,詳しくは
3160 の説明書を見て下さい.ここでは,\SpecialChar LyX
3161 で可能な主要機能の一部について少しだけ触れておきます.
3164 \begin_layout Itemize
3166 は,表のWYSIWYMサポートをしています.表を作るには,
3168 挿入\SpecialChar menuseparator
3174 arg "tabular-insert"
3185 ダイアログボックスが現れるので,そこで表の詳しい編集ができます.
3188 arg "toolbar-toggle table"
3191 を押すと,表ツールバーが固定的に表示されるようになります.
3194 \begin_layout Itemize
3196 は,文書中に任意の形式の図を取り込むことができます(ご想像の通り,
3198 挿入\SpecialChar menuseparator
3204 arg "dialog-show-new-inset graphics"
3207 )を選択します.すると,図ファイルを探したり,図を回転させたり,大きさを変えたりできるようになります).表や図にはキャプションをつけることができ,\SpecialChar LyX
3212 \begin_layout Itemize
3214 はあらゆる面でカスタマイズができます.\SpecialChar LyX
3215 ウインドウの外観から出力の仕方まで,あらゆることが,さまざまな方法で設定できます.大半の設定は,
3217 ツール\SpecialChar menuseparator
3224 \SpecialChar menuseparator
3232 \begin_layout Itemize
3234 は5大陸にまたがるプログラマーのチームで開発されています.したがって,\SpecialChar LyX
3235 は,英語以外の言語(オランダ語・ドイツ語・フランス語・ギリシア語・チェコ語・トルコ語等)を
3236 ,他のワードプロセッサよりもよくサポートしています.アラビア語・ペルシア語・ヘブライ語のような,右から左に文字を書く言語もサポートしていますし,日本語・中国語・
3237 韓国語のアジア言語もサポートしています.文書を他の言語で書けるだけでなく,メニューやエラーメッセージも他の言語に設定することができます.
3240 \begin_layout Itemize
3242 のメニューは,キー割り当て機能を持っています.
3246 \SpecialChar menuseparator
3259 と入力するか,メニュー項目の横に表示されているキー割り当て(既定では
3265 )を使うことができます.キー割り当ても設定が可能です.これに関する詳細は,
3269 \SpecialChar menuseparator
3277 \begin_layout Itemize
3279 は,\SpecialChar LaTeX
3281 \begin_inset CommandInset ref
3283 reference "sec:tex2lyx"
3290 \begin_layout Itemize
3291 スペルチェックや類義語辞典,単語数チェックの機能があります.
3294 \begin_layout Itemize
3295 目次や用語集の生成がサポートされています.
3298 \begin_layout Section
3300 ユーザーのための\SpecialChar LyX
3302 \begin_inset CommandInset label
3304 name "sec:latexusers"
3311 \begin_layout Standard
3312 もし\SpecialChar LaTeX
3313 をご存じないのであれば,本節は読まなくてけっこうです.読んでも,\SpecialChar LaTeX
3314 を習ってから本節を読みたいと思われることでしょう.一方,\SpecialChar LyX
3315 を使いはじめる人には,\SpecialChar LaTeX
3317 る人がいます.もし,あなたがこれに該当するならば,\SpecialChar LaTeX
3318 でできることのすべてが,\SpecialChar LyX
3319 でできるかどうかに興味があるでしょう.簡潔に答えれば,\SpecialChar LyX
3320 は,\SpecialChar LaTeX
3322 を,何らかの方法で実現できます.そしてまちがいなく,\SpecialChar LaTeX
3323 文書を書く作業の大半を簡単にしてくれます.
3326 \begin_layout Standard
3327 これは入門篇なので,新規の\SpecialChar LyX
3328 ユーザーが最も興味を持ちそうなことのみを取り上げることにします.
3332 が長くなりすぎないように,ここでは最小限の情報だけを載せることにします.取扱説明書の
3342 の違いに関する多くの情報と,\SpecialChar LaTeX
3343 で使われる様々なトリックを\SpecialChar LyX
3344 ではどう実現したらいいかの説明があります.
3347 \begin_layout Subsection
3352 \begin_layout Standard
3354 モードで入力されたものは,すべて直接\SpecialChar LaTeX
3357 挿入\SpecialChar menuseparator
3367 )を選択すると,\SpecialChar LyX
3369 コマンドを使うことができます.この操作で生成されたボックスの中に書かれたのものすべては,そのまま \SpecialChar LaTeX
3373 \begin_layout Standard
3374 数式の中では,\SpecialChar TeX
3375 モードは少し違った扱われ方をします.\SpecialChar TeX
3376 モードは,バックスラッシュを入力すると,ただちに始まります.バックスラッシュは表示されませんが,それに続いて入
3377 力したものはすべて赤で表示されます.\SpecialChar TeX
3382 キーか,他のアルファベット以外の文字,例えば数字・アンダースコア・キャレット・括弧等を入力します.\SpecialChar TeX
3383 モードから出ると,もし\SpecialChar LyX
3384 が入力された\SpecialChar TeX
3385 コマンドを知っているならば,\SpecialChar TeX
3387 コマンドはWYSIWYMに変換されます.もし数式の中で
3397 を押すと,\SpecialChar LyX
3399 \begin_inset Formula $\gamma$
3402 へと変えます.これは,それほど複雑でないほとんどすべての数式マクロに対して機能します.この方法は,
3406 を使うよりも速いので,特にベテランの\SpecialChar LaTeX
3410 \begin_layout Standard
3411 特別なケースとしては,もし\SpecialChar TeX
3412 モードで中括弧({)をタイプすると,はじめとおわりの中括弧が赤で挿入され,\SpecialChar TeX
3413 モードから出て,カーソルを中括弧の間へ移動します.これは変数
3414 をとるコマンドで,\SpecialChar LyX
3415 が知らないものを入力するときに便利です.
3418 \begin_layout Standard
3420 は,\SpecialChar LaTeX
3421 ができることをすべて完璧にできるわけではありません.いくつかの凝った機能は,まったくサポートされていなかったり,働きはするもののWYSIWYMではなかったり
3422 します.しかし\SpecialChar TeX
3423 モードを使えば,WYSIWYMの数式・表・編集機能のような,\SpecialChar LyX
3424 の便利な機能をすべて維持した上で,\SpecialChar LaTeX
3425 の柔軟性を完全に生かすことができます.\SpecialChar LyX
3426 は,すべての\SpecialChar LaTeX
3428 ッケージを直接サポートすることはできませんが,プリアンブル(第
3429 \begin_inset CommandInset ref
3431 reference "sec:preamble"
3441 と書けば,お望みのどんなパッケージでも使うことができます—ただしそのパッケージの機能に関しては,WYSIWYMサポートは与えられません.
3444 \begin_layout Subsection
3451 \begin_inset CommandInset label
3460 \begin_layout Standard
3464 ファイル\SpecialChar menuseparator
3465 読み込み\SpecialChar menuseparator
3468 \begin_inset space ~
3473 メニューを使えば,\SpecialChar LaTeX
3474 ファイルを\SpecialChar LyX
3475 に読み込むことができます.このメニューは,
3479 プログラムを呼び出し,foo.texファイルからfoo.lyxファイルを生成した後,\SpecialChar LyX
3480 でこのファイルを開くことになります.もしこの変換がうまく行かない場合には,オプシ
3488 \begin_layout Standard
3493 は,正しい文法で書かれた\SpecialChar LaTeX
3494 のほとんどを変換することができますが,変換できる場合でも,文書の一部を変換し残す場合もあります.
3498 は,理解できない部分は\SpecialChar TeX
3503 に変換させた後,赤い文字列を探し出して,手動で正しく編集するとよいでしょう.
3506 \begin_layout Standard
3511 には,それ自身の取扱説明書(manページ)があり,Unix/Linuxユーザーは,コンソールコマンド
3514 \begin_inset space ~
3519 でアクセスすることができます.manページは,サポートされていない\SpecialChar LaTeX
3520 コマンド・環境や,遭遇しうるバグ(およびその回避のしかた),さまざまなオプションの使い方などを
3524 \begin_layout Standard
3530 が「知っている」文書クラスのファイルしか変換できないことを理解しておくことは重要です.つまり,対応する\SpecialChar LyX
3535 がなくてはなりません.レイアウトファイルがない場合には,変換を実行することができなかったという旨のエラーが発生します.\SpecialChar LaTeX
3536 ファイルの文書クラスに対応したレイアウトが
3541 は,ファイル中の\SpecialChar LaTeX
3543 が理解できる形に変換する方法がわからないのです.レイアウトファイルについての詳細と,その作成の仕方については,取扱説明書『
3550 \begin_layout Subsection
3552 文書を\SpecialChar LaTeX
3556 \begin_layout Standard
3558 文書を\SpecialChar LaTeX
3559 文書に変換したい場合もあるでしょう.例えば,\SpecialChar LyX
3560 を持っていない共同研究者や共同執筆者に文書を読ませたい場合です.
3562 ファイル\SpecialChar menuseparator
3563 書き出し\SpecialChar menuseparator
3566 \begin_inset space ~
3582 \begin_layout Subsection
3587 \begin_layout Subsubsection
3591 \begin_layout Standard
3596 \SpecialChar menuseparator
3601 ダイアログは,文書全体にわたるオプションを扱っています.文書クラス・既定のフォント寸法・用紙寸法はここで変更してください.文書クラスオプションならびに\SpecialChar LaTeX
3610 \begin_layout Subsubsection
3612 \begin_inset CommandInset label
3621 \begin_layout Standard
3623 ファイルのプリアンブルに追加したい特定のコマンドがある場合,それは\SpecialChar LyX
3628 \SpecialChar menuseparator
3633 \SpecialChar menuseparator
3637 プリアンブル\SpecialChar ldots
3640 を選択して,ダイアログウインドウ(あるいはフロントエンドによっては,文書設定ダイアログ)に入力してください.
3643 \begin_layout Subsection
3648 \begin_layout Standard
3650 はBib\SpecialChar TeX
3651 をサポートしています.Bib\SpecialChar TeX
3652 とは,複数の文書で使うための書誌情報データベースをつくるものです.Bib\SpecialChar TeX
3655 挿入\SpecialChar menuseparator
3656 一覧/目次\SpecialChar menuseparator
3664 フィールドにBib\SpecialChar TeX
3669 フィールドにBib\SpecialChar TeX
3673 \begin_layout Standard
3674 以上を行った後は,取り込んだ文献データベースの中にある,任意の文献を,
3678 \SpecialChar menuseparator
3684 \begin_inset CommandInset ref
3686 reference "sec:参考文献"
3690 節参照)を使って参照することができるようになります.また,
3694 ダイアログ内のボックスに,使用中のBib\SpecialChar TeX
3695 ファイルにある全文献一覧が表示されます.
3698 \begin_layout Section
3702 \begin_layout Standard
3703 文書を閲覧しようとしたときに,\SpecialChar LyX
3705 が命令を理解できずに,エラーになることがあります.これが起こると,\SpecialChar LyX
3711 ダイアログを表示します.このダイアログ中の各エラーをクリックすると,\SpecialChar LyX
3712 文書中のエラーが発生した場所へ移動し,詳細な\SpecialChar LaTeX